121号 インフレ時こそ堅実な資産運用を
物価の上昇が止まりません。野菜やコメなど昨年と比べて2倍にもなっているものが少なくありません。人手不足による賃金や流通コストなどの上昇により飲食店やホテルなどのサービス業の料金や工業製品の値段、それに公共料金などもむしろこれからが値上げ本番のようです。いわゆる失われた30年のデフレ経済の下でコストを抑え続けた企業ではコロナ後の原材料高騰に端を発し、人手不足も相まって価格転嫁が相次ぎそうです。
物価高騰を受けて年金生活者は
大手企業を中心に物価上昇には追いついていないものの給料も上がっているので給与所得者はまだましなのでしょうが、年金生活者は大変です。年金額の改定においてはマクロ経済スライド調整により物価上昇に見合うだけの増額はありません。
年金生活者が生活費をまかなう一般的パターンは「年金+過去に蓄えたお金の取崩し」です。ところが年金は物価上昇に見合うほど上がらない、また預貯金を中心にした蓄えから得られる利息はたいしたことはない、というのが現状でしょう。
そのような中で、年金は自分ではコントロールしようもないので、せめて蓄えを少しでも増やしたいと考えるのが普通ではないでしょうか。
しかしここからが問題です。老後をまかなうために蓄えた大事な資金です。増えれば良いのですが、減らしてしまったら大変です。
老後の蓄えをどうするか
ここで先ず「先行き必ず必要になるお金」と多少はリスクを冒してもよい「余裕資金」とを分けて考える必要があります。
先行き必ず必要になるお金の運用
この種類のお金は減らすわけにはいきません。利息は少なくてもリスクのない運用をしてください。銀行預金もひところと較べると大分ましになってきました。普通預金でも0.4%とか定期預金で1.2%などのものも出て来ています。国債でも個人向け国債で0.89%(固定5年)、新窓販国債で1.2%(固定10年)という水準になっています。これから先もっと利率の良いものが出てくると思います。インフレ率には追いつかずとも、このようなリスクなしの運用で少しでも増やすことを考えてください。(注:新窓販国債は金利が上がれば価格が下がるので満期前に売る場合はリスクがあります。)
余裕資金の運用
次に余裕資金です。今の物価の上がり方を考えると余裕資金はなるたけ利回りの高い運用をしたくなります。しかし、利回りの高い商品はリスクも高いということを忘れないでください。
この1~2年大変人気のある外国株式を組み込んだ投資信託なども、もしドルに対する円の為替レートが高くなったら元本が目減りしてしまいます。為替は短期間で大きく動くので余裕資金と言えども堅実に運用したい方には向かないように思われます。
中庸の利回りで中庸のリスクの代表的な運用商品の一つは不動産
不動産のことを英語ではreal estate(実際に存在する資産)といいます。実在する資産なので株式などのように発行した会社が破綻したらゼロになってしまうようなことはありません。国内の不動産である限り為替の変動により価値が減ってしまうこともありません。
不動産のリスクとメリット
不動産のリスクは大きくは二つです。一つは空室リスク、他の一つは元本リスクです。これらのリスクを極小化できるのが東京都心の不動産になります。
都心不動産は価格が高いため利回りは低くなりますが、リスクが低いので老後資金の運用にふさわしい安全第一の資産といえます。また、一般的に不動産価格の上昇と賃料の上昇には時間的ズレがあるので購入後に賃料が逐次上がることで利回りは改善されていく可能性があります。さらに不動産の価格はインフレに伴い上昇する傾向がありますので売却益も期待できます。また副次的効果として不動産は相続の際の評価額が時価よりも大幅に圧縮され相続税の節税ができることがあります。
不動産のメリットを更に広げた小口化不動産
老後資産の安全運用としては新築あるいは築浅の都心不動産が好ましいのですが、問題は大きな資金が要ることです。
そこで活用できるのが小口化不動産です。500万円や1,000万円から投資できる商品です。小口化不動産には次のようなメリットがあります。
- 余裕資金に合わせて都心一等地の不動産が比較的小さな金額で購入できる
- 小さな金額で立地の異なる複数の物件を購入できるのでリスク分散できる
- 相続の際に評価額が圧縮され、小口に分けられるので公平な遺産分割がし易い
まとめ
物価高騰の昨今にあって、老後の蓄えの積極的運用を図りたいとの思いがあろうかと思いますが、多少の目減りはあったとしても、ここは焦らずまずは安全第一で考えられたらどうでしょうか。
- 「必ず必要になるお金」と「リスクはあっても運用益をはかるお金」に分ける
- 「必ず必要になるお金」は銀行預金や国債などで運用する
- リスク覚悟の運用とはいえ堅実な運用を考えるなら都心不動産への投資運用とする
- 都心の小口化不動産で3つのメリットを享受する